献血車や献血センターの看護師の仕事内容は、現役看護師でも詳しくは知りません。
献血(血液事業)に15年以上従事する看護師に、仕事内容から給料にいたるまで、どこよりも詳しくインタビューしました!
病院が公開していない情報満載!!
目次
血液事業って何?
「血液事業」とは、血液を提供者(献血者)を募集・採血し、血液製剤として、病院などに供給する一連の事業です。
献血・血液事業には国、都道府県、市町村、血液製剤の製造販売業者、製剤を使用する医療機関、企業やボランティア、国民のみなさんが関わっています。
しかし、日本で唯一、採血事業者として許可を受けているのは日本赤十字社だけ
献血看護師は日赤に就職するしかないですね!
希望する地域の日赤に、募集があるか確認!
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看護師の仕事内容
献血センターと献血車の仕事は職場にもよりますが、兼任がほとんどです。
応援に行くことも多いため、献血看護師になりたい方は、「献血センター」「献血車」の両方の仕事を覚えます。
採血以外 何してるの?
献血看護師の仕事を紹介!
献血車・献血バスの看護業務
献血車で働く看護師は全血200mlや400mlの採血業務をしますが、他にも仕事があります。
- 医師の診察介助
- 採血業務
- 資材の準備(積み下ろし、清掃)
- 事前検査(簡易Hb測定、血液型の検査)
- 副作用の対応
- 必要時、軟膏塗布、点滴、送迎、家族への連絡
血管迷走神経反射、皮下出血、神経障害などの副作用対応や、血液の提供者が安全に帰るため、必要に応じて送迎や連絡もしています。
献血車(バス)での移動は県内や地域で決められている範囲があります。
もちろん献血バスでの移動も仕事!
献血ルーム・センター(固定施設)の看護師業務
献血センターでは採血車同様の仕事に加え、以下の内容があります。
- 成分採血(血漿、血小板採血)
- 心電図検査
- 血算採血と測定
- 成分採血装置の点検管理
設備があるから仕事が増えるのね!
他に記録の仕事もあります!
記録の仕事
献血看護師の記録は資材・機械などのマニュアル作成がほとんど。
成分採血では、処理量、採血流量、返血流量、採取量、抗凝固剤使用量、バイタルを電子カルテに入力
献血者に対する記録は、主に血圧(バイタル)の入力をするくらいです。
- 献血者も資材・献血機器もバーコード管理
- 献血中の記録は点検表にチェック・血圧入力
- 献血できない方用の記録
- 副作用の際に記入する副作用記録
- インシデント・苦情処理記録
決められた内容の記録が多いです
病棟での看護記録が嫌いな方には、素敵な職場です。
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スケジュール・勤務形態
献血看護師は日勤だけの勤務形態。
勤務時間は8:45~17:15で、休憩時間は45分です。
1日のスケジュールは以下のようになっています。
※献血会場が遠方の場合
7:15 | 献血の準備業務 |
7:45 | 血液センター出発(献血バスにて移動) |
9:30 | 午前献血の受付け開始 |
11:30 | 午前献血の受付け終了 |
休憩や片付け・移動 | |
13:30 | 午後献血の受付け開始 |
16:00 | 午後献血の受付け終了 |
献血バスにて移動 | |
18:00 | センターに帰所、片付けなど |
18:30 | 退勤 |
退勤時間が過ぎてる!
会場が遠方だと、移動時間で超過勤務が多い
午前と午後の会場が違うと片付けや資材搬入の仕事が増えます。
会場が近くで移動が少ない場合や、献血センターでの仕事では定時に退社できることもあります。
献血看護師の給料
献血看護師の給料を公開!
正職員15年以上の看護師だと年収500万円くらいです。
パート職員は年収350万円が目安。(昇給で変動の可能性があります)
正社員かそれ以外かで、差が大きい!
夜勤がないのに、正社員の収入が多いことも注目!
基本給は正社員も20万前後ですが、賞与(ボーナス)や手当ての面で差がつきます。
- 通勤手当
- 時間外手当
- 賞与・ボーナス
- 役職手当 2~3万円
日本赤十字社ならどこでも同じ?
全国92か所の日赤で違うよ
全国に92か所の赤十字病院がありますが、独立採算制です。
システムや情報の共有など、協力体制はありますが、「自分の病院で稼いでね!」のスタイル。
病院の経営次第で、ボーナスカットやアップがあるため、就職前の情報収集が大切です。
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昇給・退職金・福利厚生
昇給のタイミングは年に1度あります。
また、赤十字病院で働いた経歴があると、他の赤十字病院に転職しても同じ給料等級が適応され、キャリアを引き継ぐことができます。
転職で給料が下がらない!
日赤年金など独自の企業年金で退職金が多く、福利厚生も充実しています。
大きい病院が多いため、駐車場完備で車通勤がしやすいメリットも!
退職金が楽しみ♪
献血看護師のメリット・デメリット
仕事の内容や給料などをお伝えしました。
ここからは経験者が感じる採血看護師のメリットやデメリットを紹介!
メリット
- 夜勤なし
- 安定した高収入
- 1日中走り回ることがない
- 大きな間違いは起こりにくい
システム管理がしっかりしていて、大きな間違いは起こりにくいです。
社内の教育訓練が毎月あり、担当指導者もつくため、未経験の看護師でも働きやすい!
給料も環境も、安心して働ける!
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デメリット
メリットばかりじゃない!
- 雇用形態
- マニュアルは細かい
- 採血看護師ならではの仕事
- 1発勝負のプレッシャー
- 苦情発生時、上司への報告が負担
- 連休が取りにくい
雇用形態のデメリット
社員になると給料、ボーナス、福利厚生が手厚いが、パート職員が多い印象です。
正社員の人数が決まっており、職場によっては何年も正職員になれないことも。
マニュアルが細かいデメリット
マニュアルが整備で、人によっては安心して働けますが、「細かすぎる」と感じる人にとっては苦痛。
細かい手順を守れないと、インシデント扱い?
マニュアルを守る必要はあるけど、病院と比べで重大インシデントや薬のミスは起こりにくいよ!
献血看護師ならではの仕事が難しい
採血看護師にとって重要な仕事は、成分採血装置の組み立てです。
回路の組み立てが複雑で覚えるのが大変。
種類も多く覚えるのに時間がかかります。
また、採血バッグなどの資材は、保管温度や使用数に厳重な管理が必要です。
1発勝負のプレッシャー
原則、再穿刺はなし! 穿刺不良でも自己判断で抜針は出来ません。
病院と違い健康な方が対象なのも、プレッシャー。
痛み発生や皮下出血の時、より丁寧な接遇が必要で、精神的にダメージを受けることもあります。
リピーターでは「あなたに刺されたくない」と言われることも。
注射技術が大事!
苦情発生時の上司報告が負担
医師の診察介助、記録物作成、システム入力などで忙しい。
病棟を走り回ることはありませんが、時間に追われます。
予約の献血者を時間通りに案内できないと苦情が発生することも。
苦情発生時には、電話対応や関係機関との調整、書類作成があり、上司への報告が負担に感じます。
連休が取りにくく、育児に向かない?
看護師の人数が少なく、希望休みや連休が取りにくいです。
献血者の体調により、送迎が必要なため帰宅は遅くなることも。
施設によりますが有給も取りにくく、子供の体調不良やイベントで休めないために、辞める職員もいます。
子育て中の看護師には向いてない?
夜勤がないから育児しやすいと、思えるかどうか?
一般病棟の看護師でも、休みが取得しにくいため、「夜勤なしで給料が高いならOK!」と思える方には向いてそうです。
人間関係・職場環境
子育てを終えた年代や独身の看護師が多く、病院・病棟よりも人間関係は良いそうです。
看護師の人数が少ないため「お局さま」や問題な人がいると、退職者が出やすい環境になります。
どんな看護師に向いている? 向いていない?
献血看護師に向いている人の特徴は、
- 明るくコミュニケーションがとれる
- 夜勤をせずに高収入を得たい看護師
- 退職金まで考え、長く働きたい人
- マニュアルの順守ができる
- 病棟で走りたくない看護師
反対に献血看護師に向いていない人の特徴は、
- 夜勤ありでもっと稼ぎたい
- 高齢者の看護をしたい、健康な人を相手に仕事をしたくない
- マニュアルが苦手
- 採血が苦手
- 休みを調整し、プライベートを充実させたい
献血看護師の良い話
献血看護師をしていて、心に残るエピソードがあったと話して下さいました。
相手が健康な方で、病棟の患者よりも良い血管だとしても太い針の「1発のプレッシャー」があります。
新人の時、緊張しているとベテランの献血者に言われました「やってみなよ」
自ら腕を差し出し、応援してくれる方は多いようです。
献血者はボランティア精神豊富!
献血者の緊張を和らげる目的で行うコミュニケーションが楽しいことも多く、
しばらく会っていなかった友人(献血者)と職場でバッタリ再開!
という、うれしいハプニングも。
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これをきっかけに本気で転職を考えたい!
本気 転職は求人を使いこなせ!
「一度 病院から離れたら戻れない」と思っている方には転職に勇気が必要です。
しかし、看護師にはたくさんの働き方あり、病院以外での経験が活きる場面もあるはずです。
>【体験談】看護師の職場インタビュー。資格が通用する個性的な職業・転職先のまとめ