認定看護師の種類や、資格取得の方法、かかる費用について日本看護協会の発表を参考に紹介します。
全国は128万人の看護師がいますが、その中で認定看護師は約21,000人
看護師が60人に対して1人しかいないんだね！
認定看護師（Certified Nurse・CN）は
特定分野の看護の知識やケアの技術を追究し、実践＆教育するスペシャリストです。
患者さんからも、職場関係者からも 頼られるスペシャリスト！
目次
認定看護師の種類（認定看護分野）・活動
- 感染管理（Infection Control）
- 糖尿病看護（Diabetes Nursing）
- 乳がん看護（Breast Cancer Nursing）
- 皮膚・排泄ケア（Wound, Ostomy and Continence Nursing）
- 緩和ケア（Palliative Care）
- がん化学療法看護（Cancer Chemotherapy Nursing）
- 集中ケア（Intensive Care）
- 救急看護（Emergency Nursing）
- がん性疼痛看護（Cancer Pain Management Nursing）
- 認知症看護（Dementia Nursing）
- 摂食・嚥下障害看護（Dysphagia Nursing）
- 脳卒中リハビリテーション看護（Stroke Rehabilitation Nursing）
- 訪問看護（Visiting Nursing）
- 手術看護（Perioperative Nursing）
- 新生児集中ケア（Neonatal Intensive Care）
- 小児救急看護（Pediatric Emergency Nursing）
- 慢性心不全看護（Chronic Heart Failure Nursing）
- 慢性呼吸器疾患看護（Chronic Respiratory Nursing）
- 透析看護（Dialysis Nursing）
- がん放射線療法看護（Radiation Oncology Nursing）
- 不妊症看護（Infertility Nursing）
看護師60人に1人しかいないのに、さらに21分野に分かれるのか
特別な看護師ですね！
現行の認定看護分野は21分野となっていますが、2026年度をもって教育終了となっています。
2021年から「新たな認定看護師への移行」として、特定行為研修と日本看護協会への手続きで「新たな認定看護師」となります。
「21分野」は名称の変更や、統合が行われて「19分野」に移行しました。
新たな認定看護師の19分野（統合と旧名称）
- 感染管理
- 糖尿病看護
- 乳がん看護
- 皮膚・排泄ケア
- 緩和ケア（緩和ケアとがん性疼痛看護の統合）
- がん薬物療法看護（旧名称：がん化学療法看護）
- クリティカルケア（救急看護と集中ケアの統合）
- 認知症看護
- 摂食嚥下障害看護
- 脳卒中看護（旧名称：脳卒中リハビリテーション看護）
- 在宅ケア（旧名称：訪問看護）
- 手術看護
- 新生児集中ケア
- 小児プライマリケア（旧名称：小児救急看護）
- 心不全看護（旧名称：慢性心不全看護）
- 呼吸器疾患看護（旧名称：慢性呼吸器疾患看護）
- 腎不全看護（旧名称：透析看護）
- がん放射線療法看護
- 生殖看護（旧名称：不妊症看護）
活動内容
認定看護師を育成し、資格を与えている日本看護協会は次のように述べています。
特定の看護分野における熟練した看護技術及び知識を用いて、あらゆる場で看護を必要とする対象に、水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としています。
日本看護協会
かんたんに紹介すると「実践・指導・相談」の役割を果たしているんだ
専門的な知識で、患者さん・家族・他の看護師を支援しているのね
現場では医師の相談役になることも多いよ！
認定看護師のなり方・資格取得方法
認定看護師になるためには、以下の条件や手順を満たしている必要があります。
- 看護師免許を持っている
- 看護師として5年以上の実践経験（そのうち3年間以上は認定看護分野の実務研修））
- 日本看護協会が定める認定看護師教育機関（課程）修了（6カ月・615時間以上）
- 認定看護師認定審査（筆記試験）に合格
- 認定看護師認定証交付・登録
- 5年ごとに更新（看護実践と自己研鑽の実績について書類審査）
看護師になってから、さらに615時間……
通算、約1カ月間の徹夜！
徹夜で取る資格じゃないよ！？ 看護師になるだけでも大変なのにぃ～～！！
熱意ある看護師！ 素敵っ！
ナス子さん は課題をギリギリまで やらない人の発想だね！
……学生の実習生活を思い出す
資格取得にかかる費用
職場からの支援が受けられない場合、200万円～300万円必要になります。
必ず必要になる費用がこちら
| 入試検定料 | 約5万円 |
|---|---|
| 入学金 | 約5万円 |
| 授業料 | 約70万円 |
| 実習費 | 約10万円 |
| 認定審査費用 | 5万円 |
| 認定費用 | 5万円 |
| 合計 約100万円 |
自宅から通えるとも限らないんだよな
……他にも生活費が かかるんですね
資格取得後、今の生活環境に戻ろうとすると、家賃やホテル代（居住代）が二重にかかることになります。
- 家賃・宿泊費（資格取得後に転職を検討しなければ、2重にかかる経費。家庭があれば、負担が大きい）
- 引っ越し費用（元の居住に戻る予定なら、往復で代金が発生）
- 交通費（入学試験・認定試験のための移動交通費・通学や実習中の移動費）
- 参考書籍・文献の費用（授業以外で、追加で勉強しようとすると必要）
- パソコン・プリンター・ソフト代・印刷代（環境を選ばないノートパソコンが必要）
認定看護師の資格取得を目指している間でも、生活費はかかります。
キャリア アップを応援してくれる職場を探そう！
＞＞＞看護師の転職の流れと転職サイトを活用する時に大切な情報収集のポイント
B課程認定看護師教育
2020年から認定看護師に「特定行為」の研修を組み込む活動が開始されました。
これが「新たな認定看護師」（B課程認定看護師）です。
- 研修期間：1年以内
- 時間数：800時間程度
- 費用：30万円～250万円（指定研修機関や研修を行う区分別科目による）
- 教育基準カリキュラム
- 特定行為研修区分別科目を1～3区分程度含む
- 上記時間とは別に特定行為区分別科目における実習の時間が追加される
「1年間の授業料が120万円かかったよ」という方もいます。
差が大きいから確認が必要だね！
出費の額が大きいため、以下の確認が必要です。
- 各指定研修機関の募集要項から詳細の確認
- 現職場でどれだけ金銭的な支援が受けられるか
- 新しい職場での支援は受けられるか
- 厚生労働省の教育訓練給付が受けられるか（受講費用の4割、上限20万円を受給できる制度）
認定看護師合格率
認定審査では認定看護師教育基準カリキュラムに沿った基礎知識が主に出題されるため、合格率は90％以上。
もし不合格の場合でも再度研修を受ける必要はなく、同じ分野の試験であれば翌年に再度受験することができます。
合格率は高いけど、受験するまでに困難がたくさんあるよね！
職場によっては、支援が受けれるか分かれるし、やる気だけでは……
資格取得中に給料を支給してくれるのか？ とかも考えなきゃね！
取得後に認定看護師の資格を活かした働き方ができるのかは、今の職場で相談や、場合によっては転職が有利になります。
＞＞＞看護師の転職の流れと転職サイトを活用する時に大切な情報収集のポイント
認定看護師になった特典
医療機関（職場）によっては、資格取得後に昇格・昇給・手当が支給されるところもあり、活躍の場が広がることは間違いありません。
……しかし
認定看護師になることで、昇進・昇給・手当がない（あるいは賃金表に明記されていない）病院は54.8％という待遇（処遇）のデータがあります。
賃金表に明記して、優遇してくれる病院はたったの5.4％
(参考：公益社団法人 日本看護協会 労働政策部「協会ニュース Vol.570(2015.1.15)」)
頑張って資格を取ったのに、待遇悪くない？？
認定看護師になるための支援や、今後の給料のために、職場選びは大切だね！
でも、学会参加でお金がもらえたり、全国各地に仕事でいけるは魅力的！
認定看護師ならではのやりがい・稼ぎ方もありそうだね！
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